章立てがどうのこうのとか、先生によって言われることが
違うし、パラダイムによっても違うし、だんだんわけがわからなくなって
きたので、図書館のアカデミックスキルコーナーで見つけたこの本を
読んでみました。
鈴木哲也・高瀬桃子(2015) 『学術書を書く』京都大学学術出版会
著者のお1人鈴木先生は、京都大学学術出版会の編集長なので、
学術書の編集者から見た、博士論文や投稿論文と、学術書の
違いを具体的に指摘されておられて、狭い学問分野で書く論文
というものの癖は分野を超えてあるんだ、ととてもすっきりしました。
博士論文は、審査をする数名の先生のために書くもの、学術書は
その専門分野の「二回り、ないし三回り外」の読者に向けて書くもの、
だそうです。自分はこの区別が明確でなかったために、博士論文で
紆余曲折しているんだ、ということがわかりました。
最近、博士論文を書き終えた人が論文を本にするために大学出版会と
やりとりをされていて、貴女も書き終えたら本にするんですよ、と言われた
ことがありました。その時は審査会に出すメドもつかなかったので、
なんか雲の上の話だなあ、と思っていたのですが、案外そういう先輩の一言が
あったので、この本が目についたのかもしれません。
これから人生のステージに立ち研究者としてのキャリアを追求していく
若い人とは違って、自分には今まで博士論文を書いて提出する、
ということが究極の目標でありました。それがとっても難しく、
でも一段上の目標を見据えることでまたがんばれる気がします。