2013年9月29日日曜日

第13回外国語教育質的研究会


はじめて参加してきました。青山学院大学の高木亜希子先生が主催されていて、

小さな講義室に、ディスカッションしやすいように円に机を並べて、発表の最中でも

質問してよい、と言う形式で20人あまりの参加がありました。



はじめての参加者は4,5名、他の方も常連からそれほど常連でなさそうな方まで、

とてもバランスがとれた構成だと感じました。殆どが大学の先生のようです。

通常の学会とはちがって、外国語教育の質的研究という興味のレベルが高いので、

質疑応答の内容が濃く、皆さんが共有されているよい質的研究への理解とはこういうものだと

本や文献で読んでいるのを三次元的に裏付けできたというのでしょうか。

非常に勉強になりました。次回12月と10月半ばの輪読会もぜひ参加したいです。



研究発表1

発表者:津田ひろみ(明治大学)

題目:Effects of Group Discussions on Developing Autonomous Learning Attitudes


研究発表2

発表者:上條武(立命館大学)

題目:Evaluatin Two Students' Reading Strategies : Application of Learning Longs and Interviews


発表1

目的は、自律的な学習態度を育てるための協働学習の効果を見る

25人の大学一回生のリスニング授業

Pre-task activity: Discussion for introduction, In-task activigy: Dscussion for comprehension,

Post-task activity: Discussion for expansion を実施、

研究方法は、協働学習についての五段階の質問紙、質問紙上のコメント、インタビュー



被験者のコメント、インタビューなどデータの紹介が沢山ありましたが、途中で聴くのがしんどい

なあ、と思っていたら、そのうち参加者からばんばんつっこみがあって、急に集中力が回復。


高木先生からの指摘が特にわかりやすかったです。以下メモより。

リサーチデザインで気になるのは、何を研究の一番目的にしたいのか、フォーカスがわかりにくい。
色々つめこみすぎ。研究の立ち位置、枠組みが提示されていない、熟達度、自律性、ストラテジーとごちゃごちゃしている

どういうふうなautonomyがproficiencyに役立つのか

questionaire, interview どういう目的でとって、どういう関係性があるのかが説明されていない。

appendixをつけて実際にどういうやりとりがあったのか知らせる。

視点がシフトして一年間のことになってしまっている

教師としてのクラスを良くしたいと思いとリサーチャーとして取り出したいところがごちゃまぜになってい
る。

教師としての目的をスライド一枚入れた方がいいのでは?

リスニングを支えるものとして自律性が大事だというところを入れた方がいいのでは?

データ自体は面白い、整理の仕方見せ方をもっと工夫

分析のコーディングの仕方を提示すべき




発表2は、

発表者の先行研究が、読解ストラテジーにおける学習ログの効果であったが、そこで

でた課題を解決するために、Recollection と Retrospective think-aloudというメソッドを

加えるというものでした。

こちらは慣れていらっしゃってわかりやすかったですが、全国英語教育学会の学会誌に

投稿される予定ということで結果は回収されてしまいました。掲載されるのが楽しみです。


発表の中にjustificationという項目があってなんだろうと思っていたら、高木先生からはじめての

方もいるので、皆さんに説明してください、と高木先生から発表者に指示がありました。



justificationというのは、その研究を公に出すにあたって、単に興味があるからだけでなく、

大衆にどのような意味があるのか、実践にどう貢献するのか、教育の質を高めたい、という

ことでもいいが、そのようなことを入れるべき、ということでした。


先日の北海道大会でも、教師が公に研究を雑誌に出すことについて、と柳瀬先生のワークショップ

を引き合いに出されていました。




舌足らずの報告ですみません。とりあえずここまで。


 



0 件のコメント:

コメントを投稿