2014年5月17日土曜日

現代思想の冒険者たち クリステヴァ 続き 

雑事に振り回されて思うように行かない日々のなかやっと今日は12時間ほど大学に
滞在できました。

授業の30分前に到着して、爽やかな風に吹かれながらテラスで必死で

文献を読んでいると、木々の向うから胡弓のエキゾチックな音色。

中国人の留学生が練習しているんでしょうか。ほんとに国際色豊かな

大学に変身しました。


すごいんです。通学途中では、韓国語の携帯の会話が聞こえてくるし、

テラスが風が強くてカフェテリアに入ると、スカイプで日本人の女子学生が

そう方向で流暢な英語で楽しそうに話してる。夜図書館のカフェコーナーで

勉強していると、白人の女性二人がドイツ語でひそひそとゴシップ(きっと!)

きわめつけは図書館のトイレに入ると、聞いたこともない言葉で二人

女の子が盛り上がって話しているのが聞こえる。きっと恋愛話だ!(妄想)

顔をちらっとみると、トルコ人かなあ、と思いました。

言語文化研究科の院生も半分は中国人か、韓国人、他のアジアの人。


まさか、こんなキャンパスなんて想像もしていませんでした。



まあ、とりあえず、やっと集中して読めたクリステヴァです。まだ途中ですが、

昨日の指導教官の本から、記号と信号の違いについてうまく説明できたのと、

今日、仲良くしているM1さんから第二章のソシュールがわからないので、

一緒に読んで下さい!と言われて助けてあげたらまた感謝されたので、

その勢いで。

こんな感じで、メモとりました。興味のある方どぞ。

↓↓↓



p32 新しい記号学の創出をめざして


記号にはさまざまな種類

典型的には、日常言語のようなシンボル的記号

非言語的な記号の存在は、はるかに広大な領域

意味される内容 ー所記、シニフィエ
音響や形象といった知覚可能な意味するものー能記、シニフィアン
を表裏一体のものとして有している事象はすべて記号


「木」という日本語の単語  
聴覚的音声ki、四画の漢字木、ひらがなのき、カタカナ のキ、がシニフィアン

黒一色の服装ーシニフィアン、死がシニフィエ


ソシュールの功績は、記号の体系を「差異の体系」として確立したこと

記号の体系は物質的外界から切り離された、閉ざされた構造、記号の意味作用は構造の内部の差異がもたらす現象

クリステヴァの構造主義乗り越えの戦略は、記号の閉域的構造の静態的把握であった構造主義的方法を、<構造>とその<外部>ないし<他者>との関係性の把握、<構造>の生成や変化の把捉へと動態化
シーニュ記号signeおよびその作用signification(意味作用)を構造とは異質の外部の現実との関係において捉えなおすこと

博士論文「テクストとしての小説」記号学を研究手段とし、研究対象を小説に設定
冒頭の問いかけ 言語学のみの内部で言語学の操作モデルを用いることで、一般記号学を構築することは可能なのだろうか?コミュニケーションの図式だけに閉じこもった言語学では説明することのできない<意味の生産>の過程をいかにして説明したらよいか。?

ソシュール的な立場 シニフィアンとシニフィエとの関係、記号と概念との関係は一対一対応、二分法的構造

彼女はどちらでもないような対象を想定、現代言語学や記号論的諸科学の手法から着想、彼女の記号論的方法に変換を試みる

彼女独自の<テクスト>という概念をたてることでこたえの方向を示す

ラングを基に構築されていながら、ラングの範疇には還元しえない実践

超出=言語学transfer linguistics

テクストはラングを用い、ラングの立場に位置しながらも、ラングの秩序を再配分して、あらたな意味を生産する、超出=言語学的装置



<間テクスト性><相互テクスト性>  バフチンの文学理論を基礎にし、さらに拡大するかたちで構築した、クリステヴァ独特のテクスト概念



p41  テクストの学としての記号分析学としての(セマナリーズ)

記号分析ないしは記号分析学la semanalyse
従来のLa semiologie記号学ないし記号論la semiotiqueに対して

マルクスがおこなった交換システムの批判的考察は、労働というものを交換の価値の外部で、つまり商品となる手前でとらえることのできるような、別の空間を思い描く可能性を切り開くのではないか


労働の所産から労働そのものへ、生産物の交換(意味の伝達)から生産(意味の産出)へという記号研究の横断的な超出
<意味生成性>signifiance 

生産とみなされるテクストを語る場合に、テクストを「文学」や「言葉パロール」という概念から区別するために、<エクリチュール>という用語を採用

バルト、デリダ、ソレルス

クリステヴァが有効とみなしている方法論の一つに精神分析学がある
 ラカンのセミネール
フロイトの夢判断

p56 意味生成の現場

ジェノ=テクストとフェノ=テクスト

<間テクスト性>「いかなるテクストも、さまざまな引用のモザイクとして形成されており、すべてのテクストは他のテクストの吸収であり、変形にほかならない」
あくまでテクストのシニフィアンに注目、テクストと他のテクストとの関係、ひいてはテクストと他者との関係の把握をめざす   バフチンの「対立するものの併存アンビヴァランス」という原理に要約

哲学でいわれる間主観性intersubjectiviteの観念をテクストの平面に移動させたものが、間テクスト性intertexualite

Negativite否定性

ソシュールのパラグラム    アナグラム研究からも影響 パラグラマティスム

p97  意味を生成させる欲動

p98 ル・サンボリックとル・セミオティック
「詩的言語の革命ー十九世紀の前衛、ロートレアモンとマラルメ」1974

テクストの内部に身体としての外部(接しているレヴェルがル セミオティック)と、歴史や社会やイデオロギーとしての外部( 結びつくレヴェルがル サンボリック)が流入

バンヴェニスト 言述ディスクールの言語学の提唱者、「一般言語学の諸問題」の著者

ひとはみずからの主体性を、言語活動の、ディスクールの主体として措定するのであって、それ以外のところに主体を基礎づけるものはない







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