2013年11月12日火曜日

I, you の概念


今日、小5と小3に、代名詞のレッスンをしました。


レッスンを始めて以来、昔からやっていることなのですが、改めて

自分のやっていることの重大さにドキドキします。



日本の小学校では、わたしとあなた、自己とそれに相対する他者、というふうな

教え方はしないか、またまったく別のアプローチの仕方になるのでしょう。



英語では、まず二人が向き合い、相対する空間をつくり、自分を指さしてI、

そして、相手を指さしてyou、というところからでなければ、何も始まりません。



二人の空間があって、その外側に三人称がある、ぬいぐるみなり、

私なりを置いて、he, sheと教えます。


つまり、英語の文化ではその二人の空間が世界の前提となる、

ということです。日本の文化では、そんなことはない、自己も他者も

溶け合った空間で曖昧模糊としています。それを、無理矢理に、英語の、

西欧の論理で分節するのです。外国語を教えることの怖さに

おののく瞬間です。



複数もそうです。 さらにすすんで、they, we と教えます。すでにもので

二つ以上だとsがつく、と知っていますので、代名詞の場合も

子供たちはすんなりとこの二つの概念を受け入れます。でも、

母語である日本語の世界には、単数と複数の境はありません。これも、

英語の論理で、子供たちが既に持っている世界を切り分ける

のです。


逆に言えば、西欧の論理で育った人たちに、自己と他者の

溶け合った空間を教えることのほうが至難の業だなあ、と留学生たち

の葛藤を思い起こしていました。たとえば、留学生は、年上の人に

「あなたは」とか「あなたの家は」と言ってしまうのです。それは失礼

な言い方だよ、と何度言っても身につかない子がいます。勘が

よくてすっと身につくケースも多々あるんですけど。

先天的に、日本的な世界観と西欧的な世界観のどちらが好み

とか、向いているとか、そういうこともあるのかもしれませんね。






0 件のコメント:

コメントを投稿