遅れて懐かしい会場に入ろうとすると出てきた
学生も見憶えがあって目で挨拶もし、入ると沢山が覚えてくれていて、
ふるさとに戻ったようでした。
今の大学は博士前期(修士)過程だけでも60人くらい、博士後期課程も
入れると凄い人数、しかも半数は留学生、先生方の数も多くて
顔と名前が一致するのは、同じ授業を取っている人のみ、
という環境です。先輩後輩の上下関係もあまり意識することは
ありません。
それに比べ、今の日本には殆ど失われつつある先輩後輩、そして
師弟関係の温かく厳しい世界がここではまだ息づいている。
会場は大きなホールのような階段教室で、伝統的に3回生が企画、運営を
全部仕切り、打ち上げも毎回心のこもった記念品も先輩達に工夫し、
4回生と院生が苦しみながら卒論修論を書き上げ、きついプレッシャー
の中発表するのを、後輩達が来年、再来年はこうなるのだ、と
緊張の中で見守っています。最後の先生方の講評の時に振り返って
一生懸命に聞いているスーツ姿の学部生達の白い顔、顔、顔。
先生方の父のような母や姉のようなオーラと存在感も凄く、
教育機関というよりは家族です。これはこの一員になったものにしか
体感できないものなんでしょう。
この会はみんなで創っているのだから、ぜひずっと続けて行って下さい、
と今年最後となられるドイツ語の先生のお言葉に、大きくうなずき、
この空間そのものがそれぞれの人生という語りの中で、きっと一つの
大きな物語なんだろう、と思います。
その片隅に場所をもらって、物語の一部となれることが嬉しくほっとしつつ、
ささやかな責任に引き締まる思いでした。
院生は全員無事提出、1人も欠けることなく発表会までこぎつけた
ということ、本当によかったです。ちょっとあざといくらい昨年度
チームワークを強調したのを、どう見ていたのかわからないですが。
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