申し訳なさすぎる、という気持ちです。
前にも書きましたが、聴覚障害の学生さんの支援として、
授業を聞いているあいだにパソコンで先生の講義や
教室での会話をうちこみ、画面で見せるという大学内での
仕事をはじめました。
二回研修を受けて、私もできるやん、と思い、一回目は
文学科の哲学的な分野だったと思いましたが、修論中間発表会
のノートテイクをやり、自分の興味のある臨床哲学的なものだったので、
まあまあうまくいったと勝手に思いました。
あとは固定で、基礎工学部の一回生の英語授業を毎週一回しています。
これも、学生さんはだいじょうぶ、と言ってくれるし、できると
思っていました。
それで、今週は、文学科の日本文学・国語学・比較文学の
卒論修論中間発表会のノートテイクに応募して、3日間やりました。
もうほんとうに申し訳ない。院生のD2の方のノートテイクだったので、
学部生の人とは全然要求水準が違います。
ノートテイクのシステムは、対象学生をはさんで、2人のノートテイカ―が
一行ずつ聞いた音声を文章に書き起こしていきます。
一回目は、アブストラクトを読んでいたにもかかわらず、
古典や俳諧や源氏物語など音声で聞くとまったく何がなんやら、
と言う感じで、終わってから、対象学生さんがびっくりされたように
前後関係がひっくり返っていてわけがわからなかった、相手の
打ち込みをみながらやって下さい、と言われたのですが、
自分が必死だったのでもうこれ以上は無理だと思いました。
二回目も、古典ではなかったのですが、魯迅と芥川の比較考察、
三島由紀夫、江戸川乱歩、でまだましだとおもったのですが、
やはり同じ注意を受けて、落ち込みました。
今日は三回目で、宮地嘉六、川畑康成、庄野潤三でした。
終わってからかなり前後関係がわかるようになってきました、
お疲れさまでした、と一応言われました。もう一人のノートテイカ―さんには
最近入ってきたんですか、と事後確認され、それで自分の仕事の
ひどさがわかりました。
これまで勝手にだいじょうぶとおもいこんでいましたが、
実は学部生にも迷惑をかけているけれど、我慢してもらっているんだということが
身に沁みました。
私はほんとに厳しく言われないと、どうしようもないらしい。
たぶん、優しくされるとそれ以上発展しない。
情けないけど、がんばります。
2016年10月27日木曜日
2016年10月22日土曜日
杖道 合気道、講演
内田樹先生のおっかけだということを知っている友人が
毎年教えてくれるので、今年は(も)へとへとだし、もういいかな、と
思っていたのですが、やっぱり先生の元勤務先の大学での
大学祭に伺ってきました。
合気道も杖道も、これで見るのは3回目、3年目です。
見るたびに自分の見方が深まっていくような気がします。
それは自分の研究の深まりにつながっていて、
身体とか、対話とか、先日撮影にいった中学校と高校の
授業とか、現象学とか今日までに見たり考えたりしたこと
が、武道を見るときの身体の動きに影響しているのだと
思います。
大学祭の実行委員長が、内田先生の講演の前に
SNSには内容は書かないようにしてください、と言って
いたので詳しくは書きませんが、先生の魅力が全快の
素晴らしい講演でした。
一つだけ書くと、新聞やテレビや、政治や何もかも信じられなく
なったときに何を信じればよいのか、というと、自分の直感と、
その人の声、ということでした。声?バフチンの声、ということを
考えながら聞いていると、倍音、という話をされていました。
自分が信じていることを話している人は、その人の身体も
共鳴するので、その人の声には倍音があり、聞いている人は
自分の聞きたいことをその倍音に聞く、という話でした。
平板な声で話しているひと、キンキンした声で話している人は
自分の言っていることを信じていないので、その人の身体が
共鳴しない、だからそういう人のいうことは嘘なのだ、ということでした。
毎年教えてくれるので、今年は(も)へとへとだし、もういいかな、と
思っていたのですが、やっぱり先生の元勤務先の大学での
大学祭に伺ってきました。
合気道も杖道も、これで見るのは3回目、3年目です。
見るたびに自分の見方が深まっていくような気がします。
それは自分の研究の深まりにつながっていて、
身体とか、対話とか、先日撮影にいった中学校と高校の
授業とか、現象学とか今日までに見たり考えたりしたこと
が、武道を見るときの身体の動きに影響しているのだと
思います。
大学祭の実行委員長が、内田先生の講演の前に
SNSには内容は書かないようにしてください、と言って
いたので詳しくは書きませんが、先生の魅力が全快の
素晴らしい講演でした。
一つだけ書くと、新聞やテレビや、政治や何もかも信じられなく
なったときに何を信じればよいのか、というと、自分の直感と、
その人の声、ということでした。声?バフチンの声、ということを
考えながら聞いていると、倍音、という話をされていました。
自分が信じていることを話している人は、その人の身体も
共鳴するので、その人の声には倍音があり、聞いている人は
自分の聞きたいことをその倍音に聞く、という話でした。
平板な声で話しているひと、キンキンした声で話している人は
自分の言っていることを信じていないので、その人の身体が
共鳴しない、だからそういう人のいうことは嘘なのだ、ということでした。
2016年10月15日土曜日
根本のところ
昨日今日で思ったのは、一時的に違和感があったり、何か誤解が
あったりするようなことがあっても、遠慮しないで本音をぶつけたら
なんか解決するんだなあ、改めて思いました。
遠慮するともしかしたら誤解のままで終わってしまうかもしれない。
ただ、私が話している相手は20代の院生であったりするので、
それは利害関係のあるそこそこ社会的に確定してしまっている
40代以上の人には通用しないかもしれないですけれども。
私ががんがん言うとすごく傷ついてしまう人もいるし、でも
全然傷つかずにディスカッションがどんどん深まって最初の
齟齬を解消できる人もいる(まあ自分がそう解釈しているだけで
我慢させているのかもしれないけれど)、ということを思いました。
何を自分が大切に思っているかということを妥協しないで、
議論して、根本の価値観、とか世界観、教育観などが一緒だということを
見極められる相手だと安心して話ができます。
それは本当に幸せなことだと思う。
あったりするようなことがあっても、遠慮しないで本音をぶつけたら
なんか解決するんだなあ、改めて思いました。
遠慮するともしかしたら誤解のままで終わってしまうかもしれない。
ただ、私が話している相手は20代の院生であったりするので、
それは利害関係のあるそこそこ社会的に確定してしまっている
40代以上の人には通用しないかもしれないですけれども。
私ががんがん言うとすごく傷ついてしまう人もいるし、でも
全然傷つかずにディスカッションがどんどん深まって最初の
齟齬を解消できる人もいる(まあ自分がそう解釈しているだけで
我慢させているのかもしれないけれど)、ということを思いました。
何を自分が大切に思っているかということを妥協しないで、
議論して、根本の価値観、とか世界観、教育観などが一緒だということを
見極められる相手だと安心して話ができます。
それは本当に幸せなことだと思う。
2016年10月13日木曜日
阪なり会 他
お世話になっている先生からお誘いを受けて、
大学の、女性がやわらかく理解しあう会?というような
表題の会にちょっと参加してきました。
そこで話題になったのは、ノーベル賞に関する、こういう記事。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161007-00010000-bfj-soci
ノーベル賞を受けた瞬間の奥さんの取材もちょっとだけ見ましたが、
NHKがどんな研究者だったんですか、と聞くと、さあ、普通の研究者
ですよ、変わりはない、というのを聞いて、この方も研究者をよく知っている
世界にいる人なんだ、と思ったぐらい。
共同研究者、ということも一切報道されず、ノーベル賞受賞者の妻、
としてしか報道されなかった、というのを今日聞いてびっくりしました。
と、同時にそういうことを疑問にも思わなかった自分はずいぶん長く
男性社会に浸りきって慣れきってこれまできたんだ、ということを
思い知らされたりもしました。
大学の、女性がやわらかく理解しあう会?というような
表題の会にちょっと参加してきました。
そこで話題になったのは、ノーベル賞に関する、こういう記事。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161007-00010000-bfj-soci
ノーベル賞を受けた瞬間の奥さんの取材もちょっとだけ見ましたが、
NHKがどんな研究者だったんですか、と聞くと、さあ、普通の研究者
ですよ、変わりはない、というのを聞いて、この方も研究者をよく知っている
世界にいる人なんだ、と思ったぐらい。
共同研究者、ということも一切報道されず、ノーベル賞受賞者の妻、
としてしか報道されなかった、というのを今日聞いてびっくりしました。
と、同時にそういうことを疑問にも思わなかった自分はずいぶん長く
男性社会に浸りきって慣れきってこれまできたんだ、ということを
思い知らされたりもしました。
2016年10月11日火曜日
シャトルカード
非常勤の授業を、今年始めてから、ずっとシャトルカードというのを
やっています。
メールで宿題を出してきてくれるので、それへの返信もコミュニケーションの
一つにはなるのですが、シャトルカードはA4一枚の裏表で、15回分になっていて、
授業で毎回、受講者の学生が授業の終わりに一言感想を書き、
それを見て私がコメント也返事を書き、次の授業の終わりに配ると、
私の返事を見てまた学生が書く、という双方向のツールになっています。
これがすごく楽しみで、授業が終わってくたくた、今日の授業の整理と反省、
参加点や宿題点をつけたり、していてもう授業のことは何もしたくない!、
と思っていても、シャトルカードを改めてみると、今日の試みに対して
みんながどう思っているのかが感じ取れてすごく面白いです。
例えば、ほんとうにみんなグループワークが苦手なので、今日は無理やりに
机を島にしてもらい、先週作ったグループで活動しやすいようにしてみました。
すると、シャトルカードに楽しかった、グループワークうまくいった、普段しゃべって
いる人と違う人と活動できて面白かった、と書いてくれたりもします。
いやかな~と思っていたので、ちょっとほっとする。
末端の非常勤講師なので、シャトルカードでコミュニケーションできるだけの
人数のクラスしか持たされていないのですが、それが返ってこの楽しみの源泉に
なっています。プロの先生は100人単位の授業をいくつも持っていらっしゃるので、
そんなことは到底無理。
末端隙間教員の強み!
やっています。
メールで宿題を出してきてくれるので、それへの返信もコミュニケーションの
一つにはなるのですが、シャトルカードはA4一枚の裏表で、15回分になっていて、
授業で毎回、受講者の学生が授業の終わりに一言感想を書き、
それを見て私がコメント也返事を書き、次の授業の終わりに配ると、
私の返事を見てまた学生が書く、という双方向のツールになっています。
これがすごく楽しみで、授業が終わってくたくた、今日の授業の整理と反省、
参加点や宿題点をつけたり、していてもう授業のことは何もしたくない!、
と思っていても、シャトルカードを改めてみると、今日の試みに対して
みんながどう思っているのかが感じ取れてすごく面白いです。
例えば、ほんとうにみんなグループワークが苦手なので、今日は無理やりに
机を島にしてもらい、先週作ったグループで活動しやすいようにしてみました。
すると、シャトルカードに楽しかった、グループワークうまくいった、普段しゃべって
いる人と違う人と活動できて面白かった、と書いてくれたりもします。
いやかな~と思っていたので、ちょっとほっとする。
末端の非常勤講師なので、シャトルカードでコミュニケーションできるだけの
人数のクラスしか持たされていないのですが、それが返ってこの楽しみの源泉に
なっています。プロの先生は100人単位の授業をいくつも持っていらっしゃるので、
そんなことは到底無理。
末端隙間教員の強み!
2016年10月8日土曜日
「新版 質的研究入門<人間の科学>のための方法論」
今の時期になって、どうしてもっと早く出会わなかったんだ~と
いう本に出合うことがあります。
表題の本がそれ。タイトルからすると、原書はドイツ語らしい。
Flick, Uwe. (1995, 2002, 2007). Qualitative sozialforschung. Hamburg:Rowohit Verlag.
日本語版の監訳は、小田博志、訳者は小田博志、山本則子、春日常、宮路尚子
出版社は春秋社、初版2011年, 翌年に第二版なので、学術書としては
すごく売れているみたいなのに、今頃(しかも偶然に昨日)出会うなんて。
昨日から、他の本をストップしてひたすらこの本で自分の理論的立場を
俯瞰したり、整理したり。
おかげで、どんづまりになっていた考えが進みそうです。
大学院に入った時点で、質的研究をしようと思った時点で
この本を読むことをお勧めします。
でもある程度、哲学とか認識論とかに迷い、質的研究をいろいろやってみて、
自分の研究は何なのか、もがいた後で読む方が、理解しやすいかもしれません。
いう本に出合うことがあります。
表題の本がそれ。タイトルからすると、原書はドイツ語らしい。
Flick, Uwe. (1995, 2002, 2007). Qualitative sozialforschung. Hamburg:Rowohit Verlag.
日本語版の監訳は、小田博志、訳者は小田博志、山本則子、春日常、宮路尚子
出版社は春秋社、初版2011年, 翌年に第二版なので、学術書としては
すごく売れているみたいなのに、今頃(しかも偶然に昨日)出会うなんて。
昨日から、他の本をストップしてひたすらこの本で自分の理論的立場を
俯瞰したり、整理したり。
おかげで、どんづまりになっていた考えが進みそうです。
大学院に入った時点で、質的研究をしようと思った時点で
この本を読むことをお勧めします。
でもある程度、哲学とか認識論とかに迷い、質的研究をいろいろやってみて、
自分の研究は何なのか、もがいた後で読む方が、理解しやすいかもしれません。
2016年10月2日日曜日
英語教育における質的研究コンソーシアム 10月1日
また、こちらに昨日のパワーポイントは共有される予定なので、
とりあえず、メモだけアップします。
http://eltqualitativeresearchjapan.blogspot.jp/
聞くべき方々に聞いていただくことができて、よかったなあ、と思います。
自分は、会話分析の緻密な論理についていくことは結局できなくて挫折したし、
聴衆が、院生だったり少数のひとたちだったりするので質疑応答がうすく、
もっと英語教育の研究者でも質的研究にある程度知識があり、質的研究を
模索している人たちに聞いてもらわないともったいない、とずっと思っていたので、
たまたま、ご縁があってよかったです。
岡田悠佑先生の授業は2年も聞いているし、同じ素材の発表も何回も
聞いているのですが、昨日が一番わかりやすかった。
ご本人にそうお伝えすると、できるだけわかりやすくするように工夫しました、
ということでした。
3時間の講演の中で、前半の90分は講義、後半の90分は会話分析を聴衆に
試してもらう、という構成になっていました。
<前半の講義>メモから
まず、談話分析と会話分析はどう違うのか、よく聞かれる質問について。
談話分析というのは、包括的概念(=umbrella term)
談話を対象とする「分析法」の総称
談話分析にも色々あって、
批判的談話分析Critical Discourse Analysis などは VS 会話分析
まず、言語観がまったく違う
会話分析の言語観と言うのは、導管メタファーが示すような一般的な言語観ではなく
言語は社会的行為である、という談話構築主義(Potter & Hepburn, 2008)
ことばを使うということは、文化をするということ。
人びとの方法ethnomethodを明らかにすること
どのような文化に関連付けているのか
どのような文化を構築しているのか
を明らかにすること。
例
1. 公聴会 I have no recollection.
2. 枝野氏 正確な記憶はありませんでした。
心の中を言ったのではなくて、社会的制裁を逃れる行為をしたということ
会話分析Conversation Analysis (CA)は相互行為においてことばをつかって
意味を作り出す方法を明らかにする
方法は、機能的構造分析 functional structural analysis (Blimes 1988)
機能というのは、特定の問題に対する特定の対処方法のこと
手順は
1.文字化
2.連鎖の前後関係から考える
3.相互行為を記述する
4.別の相互行為と合わせて考察する
5.
「隣接ペア」という私たちの文化に根差した概念がある
例えば、質問・応答、あいさつ・あいさつ、依頼・応じる/断る など
ペアの一つ目の要素と二つ目の要素は隣り合っている
一つ目の要素と二つ目の要素は別々の参加者がおこなう
二つ目の要素には優先の序列がある 1.
2.
3.
適切なものがなければ次の序列
一つ目の要素の直後に二つ目の要素(の即答)を期待する
妥当性
相互行為の流れ(連鎖)の文脈によって意味が変わってくる
参加者がどのように相手の行為、発話を理解したか見える形でわかるので、
これを担保として分析する
next turn prove procedure
応用会話分析 Applied CA (Antaki, 2011)
1. 基礎再構築への法要
2.マクロ的社会問題への応用
3.不調和コミュニケーションへの応用
4.
5.制度的場面への応用 ←日常会話とどう違うのか
6.協調介入への応用
このうち、5,6が英語教育に応用できる
利害の絡んだ場面は就職や進学など、L2話者の方が多い
ここからタカタの公聴会の分析でしたが、これはもう論文でも発表されているし
あちこちの学会で話されているので省略します。
英語教育との関連は、
共感や反感のやり方を使用可能な相互行為資源としてストックしておくことが
重要である、ということでした。
英語全体の相互行為のロジック、および、特定の場面の相互行為のロジック
をL2学習者に理解させないといけない
コーパス言語学はいいんだが、語彙とライティングにとどまっていて、ロジック
にまで至っていない
<講義のあとの質疑応答>
Q 文字化の意味とは?
A 動画だけだと見逃すものが多い。文字化すると見える化、とくに前後関係で
決まるものがわかる
Q 公聴会などだと、権力のアシンメトリー、L2話者の言語的制限があると思うが
それをどうやって分析に反映させるのか
ボトムアップとトップダウンをどこまで融合させるのか
A まずは、トップダウンは一度横においておく。まっさらな気持ちで見ていった
上で、浮かび上がったものを、関連付けていく。その塩梅は会話分析の
研究者によって違う
読者とのラポールがどれだけ築けるか、ということが重要
Q 会話分析と応用会話分析との違いは?
A 会話分析は社会学としての相互行為分析、どのようにして意味を作り出して
いくのか、と見る
応用会話分析は、特定の場面でいかに制度的な問題(例えばジェンダー、医者
と患者)に応用していくかをみて、ある限定された文化の集団のために
何かをする
英語教育であれば、 成すべきことを成すための相互行為での
英語の使い方、どのような課題があるのか、どのような英語の使い方を
求められるのかのロジックを、実例から「見える」形で解明すること。
Q 解釈主義ではないのか?
A そもそも解釈主義でない研究などあるのか。会話分析ではトライアンギュレ―ション
のようなことはしない。よりみえているものに基づいてその見え方を
データセッションでその見方を洗練する。ので、まったくの思い付きで
ない、ということろにその妥当性がある。
Q CAはどういうふうに教育に活かされているのか?教材は?
A Stokoe がCA role play methodを開発しているし、スェーデンなどでは
面接方法などを教育に使っている
<後半>
配布資料
・データセッションガイドライン
・トランスクリプト記号一覧
・書き起こしデータ
TA面接のビデオを二回ほど見て6人ほどのグループワークで
書き起こしを見乍ら、それぞれ一か所分析を話しました。
その後、会話分析に興味のある人は
1.独学では難しいので会話分析の授業を複数受ける
2.データセッションに参加する
CAN-Kanto 大妻女子大 古川先生
CAN-Kansai テンプル大学大阪
3.普段から会話の成り行きに注意する
4.岡田先生のホームページで紹介している会話分析入門本を読む
https://sites.google.com/site/liloarise2690/
「専門家」になるのは難しいので「リテラシー」を身に付ける
などのアドバイスがありました。
とりあえず、メモだけアップします。
http://eltqualitativeresearchjapan.blogspot.jp/
聞くべき方々に聞いていただくことができて、よかったなあ、と思います。
自分は、会話分析の緻密な論理についていくことは結局できなくて挫折したし、
聴衆が、院生だったり少数のひとたちだったりするので質疑応答がうすく、
もっと英語教育の研究者でも質的研究にある程度知識があり、質的研究を
模索している人たちに聞いてもらわないともったいない、とずっと思っていたので、
たまたま、ご縁があってよかったです。
岡田悠佑先生の授業は2年も聞いているし、同じ素材の発表も何回も
聞いているのですが、昨日が一番わかりやすかった。
ご本人にそうお伝えすると、できるだけわかりやすくするように工夫しました、
ということでした。
3時間の講演の中で、前半の90分は講義、後半の90分は会話分析を聴衆に
試してもらう、という構成になっていました。
<前半の講義>メモから
まず、談話分析と会話分析はどう違うのか、よく聞かれる質問について。
談話分析というのは、包括的概念(=umbrella term)
談話を対象とする「分析法」の総称
談話分析にも色々あって、
批判的談話分析Critical Discourse Analysis などは VS 会話分析
まず、言語観がまったく違う
会話分析の言語観と言うのは、導管メタファーが示すような一般的な言語観ではなく
言語は社会的行為である、という談話構築主義(Potter & Hepburn, 2008)
ことばを使うということは、文化をするということ。
人びとの方法ethnomethodを明らかにすること
どのような文化に関連付けているのか
どのような文化を構築しているのか
を明らかにすること。
例
1. 公聴会 I have no recollection.
2. 枝野氏 正確な記憶はありませんでした。
心の中を言ったのではなくて、社会的制裁を逃れる行為をしたということ
会話分析Conversation Analysis (CA)は相互行為においてことばをつかって
意味を作り出す方法を明らかにする
方法は、機能的構造分析 functional structural analysis (Blimes 1988)
機能というのは、特定の問題に対する特定の対処方法のこと
手順は
1.文字化
2.連鎖の前後関係から考える
3.相互行為を記述する
4.別の相互行為と合わせて考察する
5.
「隣接ペア」という私たちの文化に根差した概念がある
例えば、質問・応答、あいさつ・あいさつ、依頼・応じる/断る など
ペアの一つ目の要素と二つ目の要素は隣り合っている
一つ目の要素と二つ目の要素は別々の参加者がおこなう
二つ目の要素には優先の序列がある 1.
2.
3.
適切なものがなければ次の序列
一つ目の要素の直後に二つ目の要素(の即答)を期待する
妥当性
相互行為の流れ(連鎖)の文脈によって意味が変わってくる
参加者がどのように相手の行為、発話を理解したか見える形でわかるので、
これを担保として分析する
next turn prove procedure
応用会話分析 Applied CA (Antaki, 2011)
1. 基礎再構築への法要
2.マクロ的社会問題への応用
3.不調和コミュニケーションへの応用
4.
5.制度的場面への応用 ←日常会話とどう違うのか
6.協調介入への応用
このうち、5,6が英語教育に応用できる
利害の絡んだ場面は就職や進学など、L2話者の方が多い
ここからタカタの公聴会の分析でしたが、これはもう論文でも発表されているし
あちこちの学会で話されているので省略します。
英語教育との関連は、
共感や反感のやり方を使用可能な相互行為資源としてストックしておくことが
重要である、ということでした。
英語全体の相互行為のロジック、および、特定の場面の相互行為のロジック
をL2学習者に理解させないといけない
コーパス言語学はいいんだが、語彙とライティングにとどまっていて、ロジック
にまで至っていない
<講義のあとの質疑応答>
Q 文字化の意味とは?
A 動画だけだと見逃すものが多い。文字化すると見える化、とくに前後関係で
決まるものがわかる
Q 公聴会などだと、権力のアシンメトリー、L2話者の言語的制限があると思うが
それをどうやって分析に反映させるのか
ボトムアップとトップダウンをどこまで融合させるのか
A まずは、トップダウンは一度横においておく。まっさらな気持ちで見ていった
上で、浮かび上がったものを、関連付けていく。その塩梅は会話分析の
研究者によって違う
読者とのラポールがどれだけ築けるか、ということが重要
Q 会話分析と応用会話分析との違いは?
A 会話分析は社会学としての相互行為分析、どのようにして意味を作り出して
いくのか、と見る
応用会話分析は、特定の場面でいかに制度的な問題(例えばジェンダー、医者
と患者)に応用していくかをみて、ある限定された文化の集団のために
何かをする
英語教育であれば、 成すべきことを成すための相互行為での
英語の使い方、どのような課題があるのか、どのような英語の使い方を
求められるのかのロジックを、実例から「見える」形で解明すること。
Q 解釈主義ではないのか?
A そもそも解釈主義でない研究などあるのか。会話分析ではトライアンギュレ―ション
のようなことはしない。よりみえているものに基づいてその見え方を
データセッションでその見方を洗練する。ので、まったくの思い付きで
ない、ということろにその妥当性がある。
Q CAはどういうふうに教育に活かされているのか?教材は?
A Stokoe がCA role play methodを開発しているし、スェーデンなどでは
面接方法などを教育に使っている
<後半>
配布資料
・データセッションガイドライン
・トランスクリプト記号一覧
・書き起こしデータ
TA面接のビデオを二回ほど見て6人ほどのグループワークで
書き起こしを見乍ら、それぞれ一か所分析を話しました。
その後、会話分析に興味のある人は
1.独学では難しいので会話分析の授業を複数受ける
2.データセッションに参加する
CAN-Kanto 大妻女子大 古川先生
CAN-Kansai テンプル大学大阪
3.普段から会話の成り行きに注意する
4.岡田先生のホームページで紹介している会話分析入門本を読む
https://sites.google.com/site/liloarise2690/
「専門家」になるのは難しいので「リテラシー」を身に付ける
などのアドバイスがありました。
2016年10月1日土曜日
手ごたえ 他
もう返さないといけないのに、山のように積んだ本が読め切れていなくて
四苦八苦しています。全部、貴重な資料なのに。
現象学、エスノメソドロジー、会話分析(もう首になったも同然ですが)の
間を行ったり来たりして自分の場所を探しています。
ナラティブ分析と談話分析もあるんですが、そっちはインタビューがメイン
なので、ちょっと自分の見たい現象とはちがう。
私の見たいことはたぶんインタビューでは見えてこない。
見えてくるかもしれませんが、それは今の段階では対象と
していません。
私が見たいのは、今まで他人事であった外国語、死んだ言語、
教科書のインクの汚れ、教師に押し付けられた何か、諸々、
自分に関係ないものであった何かを、どのようにして
自分が行為をするものとして捉えるようになるのか、という
ただ、ひたすらこの一点だけなのです。
実はそれが学校であろうと、教室であろうと、塾であろうと、小学生、
中学生、高校生、大学生であろうとかまわない。でもできるだけ早い段階で
大人になる前に、外国語まあ英語ですがそれを自分が行為を成しているものと
捉えるだけでその人の人生に広さと複雑さを与えてくれる、
そういうことに自分が役に立つだろうという直感に基づいて
いるだけなのです。
まあがんばってみます。
後期も、なんかに気付いたのか、前期まったく宿題を出してこなかった
学生が真っ先にメールで宿題を送ってきてくれました。それも
ちゃんと自分の興味のあることをまっすぐに見据えて、拙い英語ででも
書く。わかってくれたんだな~と思って、ちょっと感動しています。
四苦八苦しています。全部、貴重な資料なのに。
現象学、エスノメソドロジー、会話分析(もう首になったも同然ですが)の
間を行ったり来たりして自分の場所を探しています。
ナラティブ分析と談話分析もあるんですが、そっちはインタビューがメイン
なので、ちょっと自分の見たい現象とはちがう。
私の見たいことはたぶんインタビューでは見えてこない。
見えてくるかもしれませんが、それは今の段階では対象と
していません。
私が見たいのは、今まで他人事であった外国語、死んだ言語、
教科書のインクの汚れ、教師に押し付けられた何か、諸々、
自分に関係ないものであった何かを、どのようにして
自分が行為をするものとして捉えるようになるのか、という
ただ、ひたすらこの一点だけなのです。
実はそれが学校であろうと、教室であろうと、塾であろうと、小学生、
中学生、高校生、大学生であろうとかまわない。でもできるだけ早い段階で
大人になる前に、外国語まあ英語ですがそれを自分が行為を成しているものと
捉えるだけでその人の人生に広さと複雑さを与えてくれる、
そういうことに自分が役に立つだろうという直感に基づいて
いるだけなのです。
まあがんばってみます。
後期も、なんかに気付いたのか、前期まったく宿題を出してこなかった
学生が真っ先にメールで宿題を送ってきてくれました。それも
ちゃんと自分の興味のあることをまっすぐに見据えて、拙い英語ででも
書く。わかってくれたんだな~と思って、ちょっと感動しています。
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