2016年3月25日金曜日

音声を伴わない暗記学習

高校入学前の宿題がどっさり出ているので、

「ぜつぼう」だ、と生徒が先週持ってきました。


ざっと見てみると、いくつかの例文のまとまりに、

辞書的な単語の解説のリストがついているのが数十ページ。

入学直後にテストがあるのに、覚える気がしない、と

真っ青になっている。


まじめで文法の勉強が合っている努力家なんだけど、

ちょっとパニックになりがち。


例文だけ英語の音読と和訳をそれぞれして

時間をはかって、こういうペースでやったらいいよ、と

アドバイスすると、「ぜつぼう」しなくなって、できそうだ、

と帰って行きました。


今週、だめだ、やったのに覚えられない、とまたパニックに

なってやってきます。もう1人の子も勉強になるので、ペアで

問題を出しながらチェック。



気がついたのは、音声とリズムを確認しながら読んでね、

と先週言ったけど、やっているうちに文字だけの暗記に

なったらしくだんだん意味のない記号にしか見えなくなって

覚えられない、と焦ってよけい覚えられなくなったみたいでした。


そのリストにある単語自体は、頻出するので覚えるのは大事

なものですが、例文とフレーズは不自然なものが多く、

この日本語訳ならもっと自然でよくつかうフレーズがあるのに

まじめな子ならこれを丸のみして暗記してしまうのは、逆に

これからの産出に邪魔になるのではないだろうか、と感じました。



やらせるのであれば、もっとフレーズや例文をそのまま使える

ような自然なものを選んで、音声やリズムを伴ったものにしてほしい。

大人になってから、まったく意味の伝わらないイントネーションも何もない、

棒読みのカタカナ英語で難しい内容を話している人を見たことが

あって唖然としたことがあります。まじめな子はこういうやり方だけで

勉強しているとそうなりがち。



そういえば、昔、英会話学校の講師の面接を受けた時にあなたの

英語は学校英語から来ている、と言われてショックを受けたことを

思い出しました。英語を使う経験は日常生活にしても仕事にしても

自分にしては十分あったつもりだったのに。話し方でルーツは

分かってしまうもんですね。それから数年、英会話学校で

教えることで自分に足りなかったものをたくさん吸収したので今から

考えるとありがたいことでした。



高校の宿題にもどると、とにかく大量にあるので、これは初めに

ざっと覚えておけば後の勉強が楽になるという先生方の親心だよ、

テストもやったかどうかチェックするぐらいの意味だと思うよ、

というと、そやねん、私もやっとくとあとの勉強が楽になると思う、

がんばる、とちょっと落ち着いて帰っていきました。





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