高校入学前の宿題がどっさり出ているので、
「ぜつぼう」だ、と生徒が先週持ってきました。
ざっと見てみると、いくつかの例文のまとまりに、
辞書的な単語の解説のリストがついているのが数十ページ。
入学直後にテストがあるのに、覚える気がしない、と
真っ青になっている。
まじめで文法の勉強が合っている努力家なんだけど、
ちょっとパニックになりがち。
例文だけ英語の音読と和訳をそれぞれして
時間をはかって、こういうペースでやったらいいよ、と
アドバイスすると、「ぜつぼう」しなくなって、できそうだ、
と帰って行きました。
今週、だめだ、やったのに覚えられない、とまたパニックに
なってやってきます。もう1人の子も勉強になるので、ペアで
問題を出しながらチェック。
気がついたのは、音声とリズムを確認しながら読んでね、
と先週言ったけど、やっているうちに文字だけの暗記に
なったらしくだんだん意味のない記号にしか見えなくなって
覚えられない、と焦ってよけい覚えられなくなったみたいでした。
そのリストにある単語自体は、頻出するので覚えるのは大事
なものですが、例文とフレーズは不自然なものが多く、
この日本語訳ならもっと自然でよくつかうフレーズがあるのに
、
まじめな子ならこれを丸のみして暗記してしまうのは、逆に
これからの産出に邪魔になるのではないだろうか、と感じました。
やらせるのであれば、もっとフレーズや例文をそのまま使える
ような自然なものを選んで、音声やリズムを伴ったものにしてほしい。
大人になってから、まったく意味の伝わらないイントネーションも何もない、
棒読みのカタカナ英語で難しい内容を話している人を見たことが
あって唖然としたことがあります。まじめな子はこういうやり方だけで
勉強しているとそうなりがち。
そういえば、昔、英会話学校の講師の面接を受けた時にあなたの
英語は学校英語から来ている、と言われてショックを受けたことを
思い出しました。英語を使う経験は日常生活にしても仕事にしても
自分にしては十分あったつもりだったのに。話し方でルーツは
分かってしまうもんですね。それから数年、英会話学校で
教えることで自分に足りなかったものをたくさん吸収したので今から
考えるとありがたいことでした。
高校の宿題にもどると、とにかく大量にあるので、これは初めに
ざっと覚えておけば後の勉強が楽になるという先生方の親心だよ、
テストもやったかどうかチェックするぐらいの意味だと思うよ、
というと、そやねん、私もやっとくとあとの勉強が楽になると思う、
がんばる、とちょっと落ち着いて帰っていきました。
2016年3月25日金曜日
2016年3月22日火曜日
社会言語科学会 バフチンカフェ
19、20日と社会言語科学会、今日はバフチンカフェに参加してきました。
どれも今お世話になっている先生方とかかわりのあるものばかりです。
バフチンカフェで考えたことは、
あまりにも優しすぎて目の前の人を救うことにとらわれている人は
もっとたくさんの人を救うことはできないのかな、ということです。
沢山の人を救うような学問や研究する人は目の前の人を
救うことで自分の命を落とすようなことはせず、
なぜこの人は救われないのかということを突き詰めて
突き詰めて考えて研究に研究を重ねてその原理を考えてつくりあげ、
結果的に何千人もの何万人もの人を救うような人です。
でもその人の目の前で救われなかった人はどうなるのか、
その人が救われなかったことで辛い思いをした家族やまわりの
人、その人がいなければ生きられない人はどうなるのか。
難しい、難しいことです、でも直感的にそれが学問であり、
研究であるのだと思いました。
まだまだ自分は甘い。
社会言語学科学会でも色々色々考えました。
ひとつ思ったのは、どの先生も他の人にはできないことを
打ち立てようとして真摯な姿勢で研究に向き合っていらっしゃると
いうことだなあ、ということです。
孤独だなあ、と思いました。研究で妥協はできない。
私は寂しがりで仕方がないので、こういう孤独に向き合わないと
研究者にはなれないのだなあ、と思いました。
その孤独とうまく付き合っていく術をそれぞれのやり方で
つくっていらっしゃいます。
結局は研究も人生も同じことなのかもしれません。
2016年3月17日木曜日
なんのための言語教育か
最近、ニュースを見るようにしていると、
悲惨なことばかりで、学問や研究(自分のレベルでの)
なんの役に立つのだろう、と欝々とした気持ちになっていました。
でもこの世には人の気持ちがよくわかる優しい人が沢山いると
いうことを思い起こすとまたがんばろうという気力が出てきます。
そういう人たちを支えられるような研究や教育でなくてはいけない。
数年前に英語教育学会で、「社会に出てもまったく英語をつかわない
卒業生を見て、自分は何をしているのかわからなくなりました
、
私たちは何のために英語を教えているんでしょうか」と問いかけた
先生と研究者のやりとりを見ていらい、ずっと考えていましたが
、
改めてメモしてみました。
言語教育の目的
悲惨なことばかりで、学問や研究(自分のレベルでの)
なんの役に立つのだろう、と欝々とした気持ちになっていました。
でもこの世には人の気持ちがよくわかる優しい人が沢山いると
いうことを思い起こすとまたがんばろうという気力が出てきます。
そういう人たちを支えられるような研究や教育でなくてはいけない。
数年前に英語教育学会で、「社会に出てもまったく英語をつかわない
卒業生を見て、自分は何をしているのかわからなくなりました
、
私たちは何のために英語を教えているんでしょうか」と問いかけた
先生と研究者のやりとりを見ていらい、ずっと考えていましたが
、
改めてメモしてみました。
言語教育の目的
目的というよりはめざすもの
志向すべきもの
視線が向くその先
対話
対話原理に基づく対話
対面で話をしている相手のそのことばの背後に何があるのかを慮り乍ら、相手にわかりそうなことばを選んでやりとりをする
それができるようになること
断片的な知識 一言が言えても対話はできる
知識が体系的になり、複雑な構文がつかえ、語彙が増え、
その状況にふさわしい機能をもったフレーズや
イントネーションを使い分けることができれば、
対話の可能性は大きくなるかもしれない
ただ教育でできるのはそこまで、なぜなら対話は
必ずしも善であることを前提とはしない
2016年3月15日火曜日
メディアとことば研究会 社会言語科学会他
今日は、今週末の社会言語科学学会で発表される先生と院生の
練習にお付き合いいたしました。いつもリサーチアシスタントのお仕事で
こつこつ書き起こしをさせて頂いているので、それが論文や学会発表で
どのようになるのかすごく勉強になります。
一応、私も社会言語学の領域の隅の方にひっかかるポジションで、
来年の秋あたりに発表したいと思っています、副指導教官も発表されるし、
まるまる二日間東京で参加する予定。一泊二日で飛行機とホテルは確保して
東京の友人のお宅で夜食事も予定されて、すごく充実と思っています。
残念だったのは、練習の終わりに先生が皆さん、メディアとことば研究会は出ますか?
とお尋ねになり、調べてみたらその前日で先約が入ってしまっていたのでした。
もっと前に知っていたら先約を入れずに二泊三日にして絶対参加したのに、
自分の情報収集能力の低さにがっかり。
研究にまだまだ身が入っていないということでしょうか。
反省、反省です。
社会言語科学会の案内はこちら
http://www.jass.ne.jp/news/?p=408
メディアとことば研究会の案内はこちらです。
http://www.hituzi.co.jp/kenkyukai/media-kotoba.html
練習にお付き合いいたしました。いつもリサーチアシスタントのお仕事で
こつこつ書き起こしをさせて頂いているので、それが論文や学会発表で
どのようになるのかすごく勉強になります。
一応、私も社会言語学の領域の隅の方にひっかかるポジションで、
来年の秋あたりに発表したいと思っています、副指導教官も発表されるし、
まるまる二日間東京で参加する予定。一泊二日で飛行機とホテルは確保して
東京の友人のお宅で夜食事も予定されて、すごく充実と思っています。
残念だったのは、練習の終わりに先生が皆さん、メディアとことば研究会は出ますか?
とお尋ねになり、調べてみたらその前日で先約が入ってしまっていたのでした。
もっと前に知っていたら先約を入れずに二泊三日にして絶対参加したのに、
自分の情報収集能力の低さにがっかり。
研究にまだまだ身が入っていないということでしょうか。
反省、反省です。
社会言語科学会の案内はこちら
http://www.jass.ne.jp/news/?p=408
メディアとことば研究会の案内はこちらです。
http://www.hituzi.co.jp/kenkyukai/media-kotoba.html
2016年3月7日月曜日
ASIA TEFL
たった今 acceptedのメールが来ました。すごくすごくうれしいです。
3年前に思い切ってフィリピンのASIA TEFLに参加して結構日本人も
発表しているし、院生も発表できるんだ、翌年発表しよう、と
思った矢先に家族の不幸が会って応募する気力がでませんでした。
その時に二年後の中国での開催も中国の研究者が一生懸命に
宣伝していて、それも今年出られませんでした。阪大の先生が
南京、面白かったよ~と帰国後言われたのを指をくわえて見ているのみ。
ほんとだったら自分も行ったのに、ちゃんと研究の自信もなかったから。
ということで3年越しの望みがかなったことになります。しかも
一度は行きたいヴィゴツキーやレオンチェフ、バフチンの国ロシア
(会場はウラジオストックだけど、まあ一応ロシア)です。
JALTのPanSigも正式にacceptされたので、晴れて大学院に
初めて国際学会に発表する院生の支援制度に応募できます。
今日、大学院係に問い合わせにいったら、でもこれは初めて
国際学会に発表する人なんですが、と言われたのでD2で初めてなんですか、
と言われたようでちょっと情けなかったです。
でも気にしない、気にしない、
それだけ外見上実績がありそうだったのに、意外だったということにしよう。
なるべく前向きになんでも考えよう。
3年前に思い切ってフィリピンのASIA TEFLに参加して結構日本人も
発表しているし、院生も発表できるんだ、翌年発表しよう、と
思った矢先に家族の不幸が会って応募する気力がでませんでした。
その時に二年後の中国での開催も中国の研究者が一生懸命に
宣伝していて、それも今年出られませんでした。阪大の先生が
南京、面白かったよ~と帰国後言われたのを指をくわえて見ているのみ。
ほんとだったら自分も行ったのに、ちゃんと研究の自信もなかったから。
ということで3年越しの望みがかなったことになります。しかも
一度は行きたいヴィゴツキーやレオンチェフ、バフチンの国ロシア
(会場はウラジオストックだけど、まあ一応ロシア)です。
JALTのPanSigも正式にacceptされたので、晴れて大学院に
初めて国際学会に発表する院生の支援制度に応募できます。
今日、大学院係に問い合わせにいったら、でもこれは初めて
国際学会に発表する人なんですが、と言われたのでD2で初めてなんですか、
と言われたようでちょっと情けなかったです。
でも気にしない、気にしない、
それだけ外見上実績がありそうだったのに、意外だったということにしよう。
なるべく前向きになんでも考えよう。
2016年3月5日土曜日
第23回外国語教育質的研究会
約一年ぶりに青山学院大学の表題の研究会に参加してきました。
東京の滞在時間は14時半から17時と2時間半。
滞空時間往復で2時間、全移動時間は8時間となにやってんだろう、
と要領の悪さにあきれますが、それだけの値打ちがある参加でした。
一言も発しなかったけれども。
主催されている高木先生のホームページを見ればわかりますが、
間口が広く、外国語教育で質的研究をどうすればよいかわからない
初心者にも、またある程度質的研究の経験のある研究者にも
ほんとうにありがたい研究会です。修士課程の院生でもあたたかく
ある意味きびしく迎えてもらえるので、迷っておられる方はぜひ
参加されることをお勧めします。
ホームページはこちら。
http://akikotakagi.jimdo.com/外国語教育質的研究会/
高木先生のスタンスは、どうすればこの研究はものになるか、
この研究のいいところは何か、切り口をどうすればよくなるか、
という角度なので、参加されている先生方もそのようなコメントを
されます。1年前に修論を発表させていただいたときも、育てようと
してくださっているなあ、としみじみ感じ入ったことを思い出しました。
博論は進んでいますか、とお尋ねになりましたがはかばかしい
返事ができないのがもどかしい。
東大の東條先生にも久々にお会いできて、発表者にばしばし
愛ある突っ込みをされているのを夢中でメモ。千田先生も
あったかいコメントをたくさんされていて、1年前に発表したことを
覚えていてくださった先生からもお声掛けいただき、
周辺参加もいいもんだなあ、と研究者のはしくれになりかけている
自分のアイデンティティーを改めて少し認識しました。
今日の二人目の発表者は千葉大のM1の方でしたが、もうすでに
いろいろな経験をされていて年齢も何も関係なく、関心の近い
研究者のコミュニティっていいもんだなあ、と幸せな気持ちが
しました。
行ってよかったです。次回は博論の一部を発表させてもらいたい。
がんばろう。
また、できればこの研究会を阪大でさせてもらいたい。
お世話になっている先生方に相談して、なんとかしよう。
東京の滞在時間は14時半から17時と2時間半。
滞空時間往復で2時間、全移動時間は8時間となにやってんだろう、
と要領の悪さにあきれますが、それだけの値打ちがある参加でした。
一言も発しなかったけれども。
主催されている高木先生のホームページを見ればわかりますが、
間口が広く、外国語教育で質的研究をどうすればよいかわからない
初心者にも、またある程度質的研究の経験のある研究者にも
ほんとうにありがたい研究会です。修士課程の院生でもあたたかく
ある意味きびしく迎えてもらえるので、迷っておられる方はぜひ
参加されることをお勧めします。
ホームページはこちら。
http://akikotakagi.jimdo.com/外国語教育質的研究会/
高木先生のスタンスは、どうすればこの研究はものになるか、
この研究のいいところは何か、切り口をどうすればよくなるか、
という角度なので、参加されている先生方もそのようなコメントを
されます。1年前に修論を発表させていただいたときも、育てようと
してくださっているなあ、としみじみ感じ入ったことを思い出しました。
博論は進んでいますか、とお尋ねになりましたがはかばかしい
返事ができないのがもどかしい。
東大の東條先生にも久々にお会いできて、発表者にばしばし
愛ある突っ込みをされているのを夢中でメモ。千田先生も
あったかいコメントをたくさんされていて、1年前に発表したことを
覚えていてくださった先生からもお声掛けいただき、
周辺参加もいいもんだなあ、と研究者のはしくれになりかけている
自分のアイデンティティーを改めて少し認識しました。
今日の二人目の発表者は千葉大のM1の方でしたが、もうすでに
いろいろな経験をされていて年齢も何も関係なく、関心の近い
研究者のコミュニティっていいもんだなあ、と幸せな気持ちが
しました。
行ってよかったです。次回は博論の一部を発表させてもらいたい。
がんばろう。
また、できればこの研究会を阪大でさせてもらいたい。
お世話になっている先生方に相談して、なんとかしよう。
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