鳥羽に行ってきました。
鳥羽駅からタクシーでうねうねと山道を走ること30分。小さな半島の敷地を貸し切った
ような贅沢な場所でした。The Earth という名のとおり、夜、と朝、展望台に出ると
360度の景観は海と湾や岬や、星、風、船。表現力がなくてうまくいい合わらせないのですが、
太平洋や、日本海、瀬戸内海とも、地形も波も違う独特な景色に癒されてかえってきました。
談話分析のレポートを書いているうちに、気になって隣接分野のカルチュラル・スタディーズ
の関連の本を読んでいます。そんなに長くないのですが、学問の切り方も色々あるようで
混乱気味。読んでいるのはこの二冊です。
吉見俊哉編、「カルチュラル・スタディーズ」、講談社選書メチエ
Procter, James, (2004). Stuart Hall.(小笠原博毅訳、『スチュアート・ホール』、青土社)
特に構造主義と構築主義についての記述がよくわからない。自分の理解では構造主義は、
レヴィ・ストロースに代表されるように世の中の事象は、ある構造を基本にして成り立っていること
で説明する、のに対し、構築主義は、相互行為が世界をつくる、というので全く別物だと
思います。『スチュアート・ホール』p71には、ホールは「「ポピュラー」を脱構築するための覚え書」
では、ソシュールの思想を発展させたヴォロシノフにしたがって、ポピュラーなものとは人民の
真正な表出ではなく、文化的に構築されていると述べている、とあります。ソシュールはポスト
構造主義かと思っていたのですが。。。う~ん、わからない、もっと調べてみないと。
あと、提出したレポートのコメントが、お二人の先生方から来ました。ほんとうに
ありがたい。お一人の先生は、日本語の書き方から、先行研究のここは必要、不必要、とか、
分析について事細かに書いていただき、もうお一人の先生は、Dらしい論文、と言っていただいた
上で(めちゃくちゃ励まされます)、論理の飛躍がある部分を指摘してくださいました。
お忙しい中、時間をとっていただいて感謝感謝です。
精進しないと。
2014年8月25日月曜日
2014年8月23日土曜日
外国語教育質的研究会の案内
先ほどお知らせが届きました。興味おありの方どうぞ。出欠は特にいらないそうですが、
行かれる方あれば、ここに一言コメントいただければ、ありがたいです。
第17回外国語教育質的研究会
日時:2014年9月27日(土)13:30-17:30
場所:立命館大学びわこくさつキャンパス (BKC)
アドセミナリオ 214教室
会場の詳細については以下をご覧ください。
びわこくさつキャンパス(BKC)へのアクセスについて
http://www.ritsumei.jp/ accessmap/accessmap_bkc_j.html
びわこくさつキャンパス(BKC)構内のマップhttp://www.ritsumei.jp/ campusmap/index_j.html#BKC
1. 輪読 13:30-14:20指定図書:Barkhuizen, G. (ed.) (2013) Narrative Research in Applied Linguistics Chp.12 Narrative writing as method皆さんと意見交換する予定ですので、 各自読んでいらしてください。
2. 研究発表 14:35-15:55
発表者:千田誠二(和光大学)
題目:学生の英語学習不安に関する質的研究
-「活動・場面」ごとに関する言語データの分析とその考察-
概要: 本研究は大学生の英語学習に対する嫌悪感が高まっている( Tsumura,2010 etc.)
現状を改善する目的で、彼らが英語授業活動時に抱く「不安」 といった情意面に注目し、
言語データの質的分析を行ったものである。
英語学習がうまくいかなかった一部の学生を対象とした研究では、 入学後の英語授業
開始時期に彼らが抱える「無気力の学習」、「不安の再来」 といった(千田, 2012)
不安感の問題が、その後履修上の困難からくる防御・ 抵抗の姿勢につながり、満足の
いく教師-学生間の信頼関係構築に至らず、「英語教育的知識・ 技術を十分に生かす
段階」に教師が持っていけないというプロセスが明らかになった( 千田, 2013)。
本研究では、上記の結果を踏まえて「各活動・場面」 ごとに学習者の不安生起の要因
を質的に探ることが目的である。英語学習者の不安・ 動機づけの全体像だけでなく、
活動・場面の区分けを意識して言語データを分析・ 考察することが、英語が苦手な
学習者への対応を教師がより具体的に行う上でヒントになり得ると 考えたからである。
方法として、 2人の大学生にインタビューを通して彼らの学習をふりかえっても らい、
不安を感じた瞬間について時間軸を意識しつつ、活動・ 場面ごとに語ってもらった。
発表ではそれらの結果を踏まえて、 英語が苦手な学習者に対して教師がどのように
対応をし、 教えていけばいいのかについてささやかな示唆を与えられればと思 う。
3. ワークショップ 16:10-17:30
発表者:上條武(立命館大学)
題目: Mixed-methods(混合研究法) による論文の事例から質的研究について考える
概要: このワークショップではMixed-methods( 混合研究法)を扱った論文の事例より、
質的研究の有効性を考えていく。論文では量的分析に加え、 質的データをM-GTA
(修正グラウンデッドセオリー)により分析している。 Mixed-methods(混合研究法)には
4つのデザインがあり、 その認識にもとづき論文を読むと理解が高まる。論文の概要
解説の後に、 参加者によるディスカッションによりさまざまな視点から、 質的研究に
ついて学んでいく。
論文名
田中博晃 (2014).「 特性レベルの内発的動機づけを高める授業と有用性の
欲求」英文タイトル Motivational Intervention and Satisfying Learners'
Need for Competence JALT Journal, 36, 91-123.
論文のアクセスサイト
jalt-publications.org/files/ pdf-article/jj2014a-art5.pdf
※論文は事前に読んできてください。
行かれる方あれば、ここに一言コメントいただければ、ありがたいです。
第17回外国語教育質的研究会
日時:2014年9月27日(土)13:30-17:30
場所:立命館大学びわこくさつキャンパス (BKC)
アドセミナリオ 214教室
会場の詳細については以下をご覧ください。
びわこくさつキャンパス(BKC)へのアクセスについて
http://www.ritsumei.jp/
びわこくさつキャンパス(BKC)構内のマップhttp://www.ritsumei.jp/
1. 輪読 13:30-14:20指定図書:Barkhuizen, G. (ed.) (2013) Narrative Research in Applied Linguistics Chp.12 Narrative writing as method皆さんと意見交換する予定ですので、
2. 研究発表 14:35-15:55
発表者:千田誠二(和光大学)
題目:学生の英語学習不安に関する質的研究
-「活動・場面」ごとに関する言語データの分析とその考察-
概要: 本研究は大学生の英語学習に対する嫌悪感が高まっている(
現状を改善する目的で、彼らが英語授業活動時に抱く「不安」
言語データの質的分析を行ったものである。
英語学習がうまくいかなかった一部の学生を対象とした研究では、
開始時期に彼らが抱える「無気力の学習」、「不安の再来」
不安感の問題が、その後履修上の困難からくる防御・
いく教師-学生間の信頼関係構築に至らず、「英語教育的知識・
段階」に教師が持っていけないというプロセスが明らかになった(
本研究では、上記の結果を踏まえて「各活動・場面」
を質的に探ることが目的である。英語学習者の不安・
活動・場面の区分けを意識して言語データを分析・
学習者への対応を教師がより具体的に行う上でヒントになり得ると
方法として、
不安を感じた瞬間について時間軸を意識しつつ、活動・
発表ではそれらの結果を踏まえて、
対応をし、
3. ワークショップ 16:10-17:30
発表者:上條武(立命館大学)
題目: Mixed-methods(混合研究法)
概要: このワークショップではMixed-methods(
質的研究の有効性を考えていく。論文では量的分析に加え、
(修正グラウンデッドセオリー)により分析している。
4つのデザインがあり、
解説の後に、
ついて学んでいく。
論文名
田中博晃 (2014).「
欲求」英文タイトル Motivational Intervention and Satisfying Learners'
Need for Competence JALT Journal, 36, 91-123.
論文のアクセスサイト
jalt-publications.org/files/
※論文は事前に読んできてください。
2014年8月15日金曜日
映画アンナ・カレーニナ ハムレット
レポートが気合入れすぎて、いっこうに進まないので、骨休みに(骨休みばっかり)
表題のDVD二本見ました。
ハムレットは、ローレンス・オリヴィエのを借りたはずなのに、何をまちがったのか2000年版で、
セリフはたぶんシェイクスピアのをほとんどそのまま。登場人物の名前や関係も同じものなのに、
現代に置き換えた設定ではじめは、何これ?駄作か?とびっくりしましたが、
セリフと設定のギャップがなかなか面白かったです。じっくり検討すれば、これで、
短い論文一本かけるのではないか、と思われました。見終わってから2000年度版と
調べて知ったのですが、画面はもっと古い感じ、1970年代くらいを設定しているのでは
ないかと思われます。
アンナ・カレーニナは2012年度版、劇場でお芝居を見ているような設定で、場所から場所
への移動がドア一本だったり、貴族の館から、舞台の梯子をあがっていくとそこが貧民街だったり、
不思議かつ華麗な世界でした。監督は、「自負と偏見」と同じ人で、主演女優も同じ人でした。
途中まで、ジュード・ロウに気づかなくて、地味にうまく演技しているのに感心。
中学生の時に原作を読んでいて、知っていたつもりだったのに、こんな話だったっけ、
と部分部分しか記憶になかったので、あらすじを理解してなかったんだ、と
あらためて覚えてないことに驚き。トルストイは長いし、内言が冗長だったような気がするので、
全体を把握できていなかったんでしょうか?当時の読書ノートに、気に行ったところは書き抜いて
いたので、もう一回見てみよう、と思っています。
表題のDVD二本見ました。
ハムレットは、ローレンス・オリヴィエのを借りたはずなのに、何をまちがったのか2000年版で、
セリフはたぶんシェイクスピアのをほとんどそのまま。登場人物の名前や関係も同じものなのに、
現代に置き換えた設定ではじめは、何これ?駄作か?とびっくりしましたが、
セリフと設定のギャップがなかなか面白かったです。じっくり検討すれば、これで、
短い論文一本かけるのではないか、と思われました。見終わってから2000年度版と
調べて知ったのですが、画面はもっと古い感じ、1970年代くらいを設定しているのでは
ないかと思われます。
アンナ・カレーニナは2012年度版、劇場でお芝居を見ているような設定で、場所から場所
への移動がドア一本だったり、貴族の館から、舞台の梯子をあがっていくとそこが貧民街だったり、
不思議かつ華麗な世界でした。監督は、「自負と偏見」と同じ人で、主演女優も同じ人でした。
途中まで、ジュード・ロウに気づかなくて、地味にうまく演技しているのに感心。
中学生の時に原作を読んでいて、知っていたつもりだったのに、こんな話だったっけ、
と部分部分しか記憶になかったので、あらすじを理解してなかったんだ、と
あらためて覚えてないことに驚き。トルストイは長いし、内言が冗長だったような気がするので、
全体を把握できていなかったんでしょうか?当時の読書ノートに、気に行ったところは書き抜いて
いたので、もう一回見てみよう、と思っています。
2014年8月14日木曜日
Identities in Talk
今日から世間的にはお盆休みらしいですが、あと最後の一本のレポートが
どうしてもまとまらないので、気分的にはお盆どころではありません。。。
大学へ行くと、学食、カフェ、図書館はすべてしまっています。が、
言語文化研究棟は自由に出入りでき、院生室もコンピューター室も入り放題、
院生も帰省していて、冷房をガンガンきかした院生室でPCのネットもすいすい
つながり、勉強には最適な状態。でも、勉強熱心な顔見知りの院生もちらほら
きていて、お互いにかまわない、でも認識している、ちょっと気が向き、目が合えば
研究のことなど雑談をする、この距離感がたまらなく心地よいです。
こういう環境でずっと暮らしたい。ですが、それはかなわない夢ですね。長くいると
一、二、三年の間に利害関係もできてきたり、色々ややこしいことも見えてきたり
するんだろうなあ。顔だけしっていて、気さくに専門的な話もできる、名前も知らない、
そういうのが一番好き。軽く飲みにいけたら、それは最高。
とりあえず、社会言語学のレポートを博士論文にも生かそうと思ってかなり
真剣にがんばっています。表題の本が面白くて夢中になっています。
でもお盆なので、友人たちと飲みにもいくことにして、ちょっと幸せです。
どうしてもまとまらないので、気分的にはお盆どころではありません。。。
大学へ行くと、学食、カフェ、図書館はすべてしまっています。が、
言語文化研究棟は自由に出入りでき、院生室もコンピューター室も入り放題、
院生も帰省していて、冷房をガンガンきかした院生室でPCのネットもすいすい
つながり、勉強には最適な状態。でも、勉強熱心な顔見知りの院生もちらほら
きていて、お互いにかまわない、でも認識している、ちょっと気が向き、目が合えば
研究のことなど雑談をする、この距離感がたまらなく心地よいです。
こういう環境でずっと暮らしたい。ですが、それはかなわない夢ですね。長くいると
一、二、三年の間に利害関係もできてきたり、色々ややこしいことも見えてきたり
するんだろうなあ。顔だけしっていて、気さくに専門的な話もできる、名前も知らない、
そういうのが一番好き。軽く飲みにいけたら、それは最高。
とりあえず、社会言語学のレポートを博士論文にも生かそうと思ってかなり
真剣にがんばっています。表題の本が面白くて夢中になっています。
でもお盆なので、友人たちと飲みにもいくことにして、ちょっと幸せです。
2014年8月3日日曜日
ヴィゴツキーセミナー
ヴィゴツキーの「思考と言語」読む会だったらしいです。
今日は。
とても盛況でした。大学の先生、院生もいましたが、特筆すべきは
小学校の先生、病院関係、医療関係の方々がいらっしゃったのが
印象的でした。
何か、教育や医療の現場で切実に苦しんでいる方々が救いを
求めてこられたのではないか、という印象をもちました。
自分はヴィコツキーのことはあまり知らず、思考と言語もさらっと読んだだけ
だったので、今日は不謹慎にもおさらいのつもりで受付などの手伝いに
行っていました。
主催の先生方は、講義、発表が終わってから、現場の先生方の
質問に真摯に答えていらっしゃいました。さすがだな、と思います。
思うにつけ、英語教育学会で、中学校の先生が自分がなぜ英語を
教えているのか、わからなくなる、教えてください、と切実な質問を
されたときの壇上にいらっしゃった先生方が誰も答えるすべがなかった
のをみて唖然としてときのことを思い出します。
ただの愚痴ですが。
自分がなぜこれを教えるのか、わからなかったので、自分も大学院に
来たのです。それを答えられなくて研究者と云えるのでしょうか?
単に知識を伝えるだけならロボットやコンピューターでもできるのでは?
今日は。
とても盛況でした。大学の先生、院生もいましたが、特筆すべきは
小学校の先生、病院関係、医療関係の方々がいらっしゃったのが
印象的でした。
何か、教育や医療の現場で切実に苦しんでいる方々が救いを
求めてこられたのではないか、という印象をもちました。
自分はヴィコツキーのことはあまり知らず、思考と言語もさらっと読んだだけ
だったので、今日は不謹慎にもおさらいのつもりで受付などの手伝いに
行っていました。
主催の先生方は、講義、発表が終わってから、現場の先生方の
質問に真摯に答えていらっしゃいました。さすがだな、と思います。
思うにつけ、英語教育学会で、中学校の先生が自分がなぜ英語を
教えているのか、わからなくなる、教えてください、と切実な質問を
されたときの壇上にいらっしゃった先生方が誰も答えるすべがなかった
のをみて唖然としてときのことを思い出します。
ただの愚痴ですが。
自分がなぜこれを教えるのか、わからなかったので、自分も大学院に
来たのです。それを答えられなくて研究者と云えるのでしょうか?
単に知識を伝えるだけならロボットやコンピューターでもできるのでは?
登録:
コメント (Atom)